Sunday 22 January 2012

イギリス南西部の旅 三日目&四日目 Penzance(ペンザンス) & Portsmouth(ポーツマス)

三日目

セントアイヴスからタクシーでPenzance(ペンザンス)へ向かう。クリスマスでバスが出ておらず仕方なく乗った。道の脇にあった幾つかの廃墟を見て興奮しているうちにあっさり予約していた宿に到着した。が、旅とトラブルはハッピーセットとそのオモチャのようにセットであって(オモチャの付かないハッピーセットはもはやハッピーセットではない。)、受付が閉まっていてチェックインができない。少し待って来そうになかったので、リビングに重い荷物を隠して町の中心地に出かけた。

20分かけて海岸沿いまで歩いたのはいいが、さすがクリスマス、見渡す限りの閉店。唯一開いていた小さなスーパーで昼飯を買う。見るものがないのでとりあえず歩いてみる。どうせなら商店街から離れてみようと民家があるほうへ。あるのはもちろん、ひたすら並ぶ家。ヤシの木と坂がやたらと多い住宅街を抜けると植物園を発見。中央には立派な石造りの噴水があってその奥には見た覚えのあるテラスも。「これはもしかして!!」とその時は勢いよく思ったものの、それ以来なんの発展もなく今日に至る。あの既視感は一体何だったのか。

田舎の小さな町のアンティークショップほど魅力的なものはないが、店に入れずガラス越しでしか見れないのはなんともどかしいことだろう。それが過去と未来をごちゃ混ぜにした遊具箱をひっくり返したような店ならなおさらだ。古めかしいピエロ、陳腐なSF映画に出てきそうな空飛ぶスクーター、いびつな形をした黒人のマネキン、そんなエキセントリックな珍品ばかり取り揃える夢の店を前にして写真しか撮れなかったのは無念としか言いようがない(その写真を納めたカメラも。。。)。丘を下って、海岸沿いまで行くと海の向こうにはイギリス版モン・サン=ミシェルと言われているセント・マイケルズ・マウントが見えた。「コーンウォールの王冠についた宝石」と讃えられたり、その城に住んでいた巨人の伝説があったりして興味があるのでいつか行ってみたい。

海辺に三ツ星のクイーンホテルというのがあったのでその中にあるカフェでお茶でも飲んで休憩しようと入った。いつもなのかクリスマスだからなのか分からないが、飲み物とお菓子がセルフで持って行けるようになっていたので、オレンジジュース、珈琲、紅茶を一杯ずつ貰って席に着く。広い店内では品の良い老夫婦や家族連れが談笑していてとても賑やかだった。

宿に帰る途中、故郷にある茅葺き屋根(白川郷が有名)と全く同じ造りをした屋根があって興味津々で観察したが、どうやら茅葺きは日本特有のものではなくドイツやイギリスにもあるらしい。知らなかった。飛騨から職人が出向いて造ったのではという期待は裏切られたにしても、郷里を知る契機と刹那のノスタルジーをありがとう。無事、宿にチェックインしてリビングでテレビを見る。映画がやっていて、iPadで花札をして流し見していたのではっきりは分からないが、「今日はクリスマスだからいいじゃないか!」を口実に情事をしまくる主人公の男が「一緒にパキスタンに行こう。」と恋人を誘うが彼の放蕩ぶりを知っているため喧嘩がたえない、という内容で全くもってクリスマスにふさわしくない。もう少しましなセレクトは無かったのか。

四日目

この日は一日移動に費やした。ペンザンスからヒースロー空港を経由してSouthampton (サウサンプトン)に到着。二時間だけの滞在で町を散策してからすぐさま、バスに乗り目的地のPortsmouth(ポーツマス)に。移動時間というのもまた旅を旅たらしめる一つの重要項で、ラスボスまでがやたらと長いRPGみたく移動時間が長ければながいほど目的地に着いた時の高揚感は大きい。

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